かつてデアゴスティーニから定期購読で発売されていた「航空母艦赤城をつくる」をオークションにて格安で一括購入できたので作りました。確か実際の定期購読は零戦とかぶったと思います。零戦が佳境に入っているのに「他のもの作れるかってんだ!」という思いだけ記憶に残っています。というわけで零戦が終わって数年たってそろそろなんか赤城作るか!という流れです。しかし初夏から晩秋にかけて一気に作ったので死ぬほど暑かった記憶です。汗と埃にまみれた6ヶ月の戦いの記録です。
今回の最重要課題は「木製甲板」です。
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先ずは完成図です。甲板は細く薄い板で貼りました。もともとの指定は紙に印刷されたものを貼り付ける指示でしたが納得できなかったのでカスタマイズしました。甲板貼りだけでも丸々1ヶ月は掛かったと思います。飽きるのでその間に他を組んだりもしていました。

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最後に菊の御門が入って完成です。この時はもう感無量な気分です。長い旅路の終わりですから。
それでは順を追って組み立て過程を紹介します。

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創刊号付近の組み立てです。このあたりはまだ鼻歌交じりでサクサクと組めます。あっけないので電飾なんかも考えている余裕の工作でした。

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艦橋に光を入れてみました。もっとオレンジ系にしたかったのですが手持ち在庫切れで白色系LEDで都合を付けました。まだ本気じゃなかったんですね。

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組み立て説明の順にしたがって地道に外板を貼っていきます。このあたりは適当に貼っても問題はありません。最後に近くなるほど厳しいのが外板貼りの宿命です。

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大分船体のイメージが固まる段階に入ってきました。キール部分に工作台をセットしているのは作業がし易いというよりキールが曲がらないように固定するためです。左右均等に外板を貼っていくのですが、矢張り力加減で左右にバラ付きが出ると最後に船体が曲がって仕上がるという悲しい結果にしないためです。

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週刊物は途中でその他の部品を組み立てよ!と全く無関係なものを作らされますが、まぁ気分転換に付き合って作ります。

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いよいよ外板貼りの佳境に入ってきました。このあたりになると貼り上げる速度が急激に落ちて一日に4~5枚くらいしか貼れなくなります。調整が始まるのです。しかし週刊零戦の外板加工を思えば・・・

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それでもまた脈絡のない部品を作れという指示が飛びますので、素直に従います。
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30号で突然船台組み立て指示。全くデアゴ海軍省は何を考えているのかな~まぁここも命令に従います。
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やっと外板基礎部分が貼り終えましたので、指示はありませんでしたが過去の経験から木製船体が古くなるとひび割れを起こしやすいので、内側からシルクとエポキシ接着剤で固めます。手間は掛かりますが、将来の保険みたいなものです。
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いよいよ甲板材の調整が始まりました。かなり空母らしくなってヤル気が出てきます。
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また海軍省から飛行機を作れという指示がでましたので、一旦船体製作の手を休めてこちらに集中します。艦をマットな雰囲気にしたいので飛行機は少し艶を入れます。週刊零戦を思えば・・・
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再び船体製作です。船尾周りの加工が始まりました。この段階で船体はある程度段差がなくなるようにパテと磨きが終わってます。その工程はひたすらペーパー掛けなので写真には残っていません。
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スクリュー周りを整形しながら小物を取り付けます。ワクワクする工程が始まってきました。このくらいになると妄想も膨らんできます。
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船体の主要部分や小船も命令に従って順に製作していきます。
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いよいよ板貼りの良し悪しが分かる瞬間が来ました。サーフェーサーをスプレーして段つきや隙間が一気に暴露される瞬間です。成績発表の瞬間に近い感覚です。何度か修正して漸く海軍省からOKが出ました。
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今度は艦上の大物を作っていきます。このあたりは作るというより組み立てるという感じなので気楽な工作です。
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飛行機も少しずつ作るので塗料などの無駄も出ますが、気分転換は重要なので命令書に従います。
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エレベーター部分の基礎工事が始まりました。この段階では全体像が理解できていなかったので「どうなってんのコレ」みたいな感覚で組み立てました。
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船体作りと平行して、気の遠くなるような飛行甲板材の切り出しを行います。このダンボール2箱くらい切り出したと思います。既製品では厚ぼったく使えなかったので木片から切り出しています。最初は随分失敗しましたが数をこなしているうちにスキルがあがってきました。確か材料はウォールナットだったと思います。
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飛行甲板材は材料によって少しずつ色味が違うのでこのあたりに注意しながら全体が落ち着くように選んで張っていきます。
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一枚一枚の甲板材は横向きに平たく貼るのではなくて縦に嵌め込むように並べているのでとんでもない本数になるわけで、最後に表面を平らに削ってならしています。だから甲板材同士に隙間無くぴったりと貼れるわけです。甲板には厚みもありキャンバー(水が外側に流れる)も付けられる訳です。夫々の板は両隣の板が押し合いへし合いしているので強く密着しています・でも・・もういや!
さて一方船体は
ここで漸くエレベーターと格納庫なんだと気付いたところです。このあたりは完成するとほぼ見えませんが、妄想の世界で遊ぶには良い材料です。
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艦上の大物部品が仮付けされました。ここで一挙に塗装に入ります。船体に窓なども加工して2色で塗り分けしました。少しマットな感じにするためにナイロンパッドで軽く磨いて光沢を抑えました。
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エレベーターは製作指示では何も支えが無くストンと落ちてしまうのでプラ棒でスプリングを作ってボヨーンみたいな動きにしました。指で押すと下に降りて、指を離すと甲板に戻ってくる感じです。
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エレベーター機構見えないのに凝ってます。こんなに成ってるんだな~と学習しました。
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大量に飛行機製作の命令が入りましたのでしばらくこちらに集中します。
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細かいボートなどを地味に組み立てて塗装していきます。
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いよいよ今まで地味に作った部品の組み立て工程に入ります。創刊号で作った煙突が漸く取り付きました。
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どんどん組み上げていきます。ここでは船体に曲がりが無ければスムースに工程が進むはずです。船体がゆがんでいると苦戦するでしょう。
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余計な電飾をして遊びです。小型スイッチを大砲を回すとON/OFFできる様にしたのですがどの大砲だったか製作者も忘れます。完成から1年経った今はどこか完全に忘れました・・
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艦首部分の組み立てです。この辺はどのくらい汚しを入れるべきか悩んだところです。結果として汚しはいつでも出来るので今回はおとなしい色合いにすることにしました。
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少しだけ鎖周りに錆びを帯びた色にしときます。われながら大人しい色合いです。
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気が遠くなるような甲板薄板貼りも終わって艦橋部分を仕上げたところです。ここまでくればこっちのものです。ほぼ旧日本海軍の空母赤城は手中に入ったも同然です。あとは気付いた部分を手直しして完成です。イヤー夏場の木製模型作りは地獄です。エアコンかけた部屋ではペーパー掛けは無理なので外で行うしかなかったので、死ぬかと思いました。まぁ実際は赤城と刺違えても無意味なので適当に休みながら行いました。
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甲板貼りがこの夏の強烈な思い出になりました。美しい木製甲板に頬ずりしてやりました。
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忘れてましたが、菊の御紋は金箔で仕上げました。そこまでやるか・・

後はまとめ動画です。この記事読んだ方は見るまでもありません。